中学受験はいたしません!

公立小中から進学を目指す、ワープア夫婦+グータラ娘の奮戦記です

育てたように子は育つ……んなわけないっ!!

さてさて、前回までに東京から千葉へと越した顛末を語ってきましたが、ここで一人娘のちい子について語っておかなければなりますまい。

だって、いくら「中学受験はしないで、公立中高から大学を目指すぞ!」と親が吠えてみたところで、勉強するのも受験をするのも娘本人に他ならないわけですから。親がじたばたしたところで、ある時期からもう本当に、親のいうことなんて聞かなくなってきます。

ごくごく平均的に発達してきた我が子だが……

ちい子は現在12歳の小6です。もう12年も前のことなので、記憶が曖昧になっているところもありますが、高齢初産のわりに経過は順調、予定日を少し過ぎて健康に誕生しました。

最初に言葉を発したのは1歳1ヶ月、最初に歩いたのは1歳2ヶ月くらい、とごくごく標準的に発達しました。母子健康手帳の記述と比べていっても、特に遅いということも、早いということもなかったような記憶があります。

「うちの子、天才かも〜!」そんなふうに思う瞬間もなかったわけではありませんが、多分90%くらいの人がそう思うんじゃないかと思います。

文字に興味を持ち始めたのは年中くらい。保育園のお友達では、年少前にもうすらすらひらがなを読むお友達なんかもいたので、ちい子がとりわけ賢いとか、他の子に比べて優れている点があるとか、そういう印象は全くありませんでした。

ちい子は2〜3歳頃から絵本がとりわけ好きになり、家で起きている時間はしょっちゅう読み聞かせをねだりました。寝る前は毎晩、枕元に絵本を積み上げ、10冊くらいは聞かせないと満足しない。こっちが寝落ちしそうになると、絵本の角で頭を殴るというオソロシイ暴力幼児(泣)。それならそれで早いとこ文字を覚えて自分で読んでほしいところだったのですが、読んでもらうのほうが楽なのか、結局小3くらいまでは読み聞かせをしていた記憶があります。

ただ、ちい子は2歳頃から保育園の先生に、「ほかの子に比べて感情の起伏が激しい」と言われてきました。特に、自分が期待していたように物事が進まないと泣いて喚いて、発狂寸前。スーパーの床に寝転んで「嫌だ〜!!」とじたばたしているちい子に、「こんなマンガみたいなこと、ほんとにするんだ……」と呆然となってしまったこともありました。
当然ながら周囲にはわがままと見られ、「親の躾がなっていないから……」と白い目で見られるこっちはたまったものではありませんでした。

小学校に入学したが……

就学時健診はとくに問題もなくパスをしてしまったちい子でしたが、小学校に入っても激しい性格は変わりませんでした。テストで100点取れなかったと言っては教室でテストを破り捨てて大泣きしたり、図工で作品づくりに失敗して教室を飛び出したり。担任の先生からはしょっ中電話がかかってきて、日中電話が鳴ると、「学校からかっ!?」とドキドキしてしまう日々が続きました。

ここまでくるとさすがに発達障害を疑い、半年ほど待ってようやく病院で検査(WISK-IV)を受けましたが、できることできないことに凸凹はあるものの、性格の範囲内という結果でした。今にして思えば、引越しをしたこともあり、新しい環境で本人も言葉にできないストレスを抱えていたのかもしれません。

3年生、4年生と進級するにつれ、さすがにテストで100点取れないと言ってブチギレたりすることは減ってきましたが、負けず嫌いは今も相変わらずです。
負けず嫌いだけなら、それをいい方向に持っていけば、いろいろ能力を伸ばすこともできそうですが、最初に「これは勝負にならない」と思うと、もうハナから投げ出してしまうので始末が悪い。そして勝負にならない分野が、スポーツも音楽も図工も……と多方面にわたるのでさらに始末が悪い。
さらに、負けず嫌いなくせにコツコツ物事に取り組むのが苦手なので、結局結果も残せず悪循環となるのでなお悪い(汗)。

親は子どもを選べない

とにかくちい子の激しい言動には散々悩んできたので、入学前も、園の先生や友人や親、保健所の育児相談や民間の育児相談など、いろいろなところに相談をしてきました。
もっとも相談したところで、的確なアドバイスはなかなか受けられませんでした。特に保健師さん、結構こちらが傷つくようなことを平気で言ってきますね。まあ経験もあるからなのでしょうが、「こうこうこうすると、子供はこうこうこうなる」みたいな決めつけが多いこと。

曰く、「母親が仕事をしているので子供が寂しく思って問題行動に走る」とか、「テレビばっかり見せているから子供がキレやすくなる」とか。昭和時代かいな。

ちい子の激しい性格も、例えば親の私が勝ち負けにこだわり、「一番にならなければ意味がない!」「一番になれるようがんばれ!」みたいなことをいつもちい子に吹き込んでいる、とか一番を取ったときだけ喜んで褒める、とかなら話は簡単なんでしょうが、実際は全くそんなことはないので、育て方というよりも、本人の元々の性格というか、気質が大きく関わっているのは間違い無いのではないでしょうか。

ちい子がもっと大きくなったら、また感想は変わる可能性はありますが、12年間育ててみて、つくづく人は一人一人ぜんぜん違うのだから、「こう育てたから、こう育った」なんて簡単な公式に当てはめることなんか出来っこない、と思います。

もちろん家庭環境からは大きい影響を受けるのでしょうが、気質というか、本人の脳のクセのようなものが本人を形作る一番大きなものになっているのではないかな……、そう思うお母さんはいっぱいいるんじゃないでしょうか。まさに「子どもはガチャ」。