中学受験はいたしません!

公立小中から進学を目指す、ワープア夫婦+グータラ娘の奮戦記です

【脱線編】地方移住は、子どもの教育環境を考えて!

引越し先の条件(3)、古くからの地元民で固まっている本物の田舎は避けたい、これは自分の経験に基づいています。

ときどき、「自然いっぱいのところでのびのびと子育てしたい」という理由で、本当の地方移住を考える方がいます。
自分たちが田舎のコミュニティに馴染むことができるのであれば、お子さんが小さいうちはいいかもしれません。

 家に帰ると玄関前には採れたてのトマトが。きっとお隣の**さんが届けてくれたんだ……。
 仕事のときに、ご近所の**さんが子どもを預かってくれた、ありがたい……。
 なんて素敵な田舎暮らし!!

しかし、人々がおせっかいなくらいに親切で温かく、コミュニティがしっかりしているというのは、裏を返せば、詮索好きの集まりで個人情報はパッと広まり、同調圧力がすごくて出る杭は打たれる、人の足を引っ張る社会でもあるということかもしれないのです。

こでまりが卒業した30年前の田舎の公立中学(1学年50人ほど)は、まさにそんなところでした。

例えば、学校の英語の授業で、少しばかり発音が良いと、からかわれたり、冷やかされたりする。それが嫌でわざと棒読みする。
本を読んでいれば「本ばかり読むな」と非難される(先生にまで!)。
常に勉強よりも運動の方に価値が置かれ、優等生はむしろ「ガリ勉」と馬鹿にされる。

そんな環境で勉強をしろというほうが酷な話です。

とにかくものすごい閉塞感がありましたが、そもそも閉塞感があったということ、自分の環境が劣悪だったということに気づかされたのは、中学を卒業し、学区トップの高校に進学してからでした。1時間以上かけて高校へ通うようになって、話の合う友達もでき、やっと息がつけるような思いがしたものです。

中学校なんてたった三年間のことなんだから、息をつめてやりすごしてしまえばいい、大人だったらそう思えるかもしれませんが、子どもは逃げ場がありません。公立を回避しようにも、通える範囲に私立や国立がない。

地方移住は大人にとっての夢かもしれませんが、子どもの将来の選択肢を狭めてしまったり、才能を潰してしまうかもしれない。そういう可能性も考えて、移住先の土地柄、教育環境というのはよくよく事前調査したほうがいいと思います。

 

反対に、地方はなぜ若者が流出してしまうのか、その理由というのも考えてみる必要があると思います。働き口がないこと以上に、子どもの教育環境が残念なことになっていないかどうか。

コロナ禍で、地方移住の動きが盛んになるのでは、という予測があります。

地方の町や村が、リモートワークができる子育て層を都会から呼び込みたいのなら、思い切って公立の小中学校に投資し、都会では考えられないような安価で充実した教育環境を用意するというのは、ひとつの手としてあるかもしれません。