中学受験はいたしません!

公立小中から進学を目指す、ワープア夫婦+グータラ娘の奮戦記です

私が東京脱出を決意するまで(1)首都圏と地方、受験のパラレルワールド

地元は今でも公立王国

地方出身の夫または妻が、子どもの中受に理解がなく、むしろ反対する、という話はよく聞きます。

首都圏出身で自身も中受経験がある(かもしれない)親に対して、「私立中学?? そんなん行く必要があるわけ? 別に公立で十分じゃないの? 小学校の時はのびのび過ごして、勉強は中学からで大丈夫じゃない?」と強硬に主張する、というパターンです。

実際に、地方出身のこでまり夫婦もこの感覚は非常に理解できます。

ブログ主のこでまりは、町内に本屋もなければまともな図書館もない、ザ・ど田舎の町で育ちました。当然塾などもなく(公文式やそろばん塾はささやかにありましたが)、高校は先生が成績順に「おまえはここね」的に振り分けるという世界です。入試はもちろんありますが、学年で入試に失敗する(志望した県立を落ちる)子は年にひとりかふたりでした。

そんな中、私は一応学区の県立トップ校に振り分けられ、大学への進学を目指したわけですが、地元のトップ校信仰はいまだにかなりのもので、「大学名を言っても感心されないが、高校名を言うと途端に感心される」という、かなり恥ずかしい状況にあります。しかも、地元の政財界(?)や学校教職員にOB・OGが根を張っているため、田舎で生きていくなら大学名よりもむしろ、高校名の方が重要かもしれません。

私立高校は完全に公立の滑り止めで、単願で私立高校に行く子は、「あ〜成績が足りなかったのね〜」的な目で見られるわけです。失礼な話ですが。

地元の友人に言わせると、この状況は30年あまり経った現在でもあまり変わっていないそうで、最近、大学付属の私立高が中学を併設し、特進コースも作って進学実績を上げようとがんばっているようなのですが、HPの進学実績をみると、残念ながら結果は県立高にはるかに及ばず、いまだに「大学目指すなら県立**高校へ」ということになっているようです。東京のかたにはまず、想像もつかない世界かもしれません。

 

世の中には中受というものがある

「中受? なにそれおいしいの?」状態だった田舎者の私ですが、東京の大学に進学したあと、さすがに「世の中には中学受験というものをする人もいる」ということに薄々と気づきはじめました。というのは、大学でできた彼氏が、都内出身、小学校から私立、公立には一度も通ったことがないというおぼっちゃまだったからなのですが、正直、同じ大学の同じ学部に辿り着いているという時点で、私立出身であるメリットが(本人から)あまり感じられず……。本人が、ノーブルさのかけらもない人だったからかもしれませんが。

しかも、クラスメートには付属中高の出身者もいるにはいたのですが、彼ら彼女らが幅を利かせているかといったら全くそんなことはなく、総じて学力は一般入試の学生に比べて低めで、付属出身であることが自虐ネタのようになっており(付属高でも、上位の生徒は受験して他大学に抜けてしまうのでしょうが)、そういう意味でも私立一貫校というものが、「子供を入れたい、憧れの学校」とはならなかったのもしれません。

 

ただ、子どもを持ち、その子が大きくなるにつれ、どうも「中受? なにそれ?」状態ではまずいのではないか、ということを薄々気づかされることがおきました……。

(つづく)

 

 

 

はじめまして

はじめまして。

ブログ主の「こでまり」です。

このブログでは、地方出身のワープア家族が、東京都内の中学受験回避のために郊外へ移住し、公立コースで大学を目指す顛末を、現在進行形でゆるゆるとつづっていきたいと思います。

ネットにも書店にも中学受験情報があふれ、都内にいるとまるで中学受験がデフォルトのように錯覚してしまいそうなこの時代。中学受験ブログも本当にたくさんありますが、「うちは公立で行く!」っていうブログや、「公立中学はこんなに素晴らしい!」っていう情報って、なかなかないんですよね。

これは考えてみると当たり前のことで、中学受験はブームになればなるほど私立学校や塾業界、出版・広告業界などにお金をもたらしますが、「公立でも大丈夫だよ〜」「公立、ぜんぜんいいじゃん」という情報をいくら発信しても、新たなお金を生み出しませんもの。かくして、「公立中学の授業は低レベル」「荒れていて勉強する環境にない」「先生にゴマを擦って内申を取れない子は大変」といった、真偽不明の公立ディスりがネット空間を飛び交い、子を持つ親を不安の底に叩き込むわけです。

私も田舎の公立中の、同調圧力がすごくて足をひっぱり合うところ、読書をしていると白い眼で見られるような反知性主義的なところにウンザリしていた人間なので、決して公立推し、公立万歳、というわけではありません。ですが、上記のような公立叩き情報が、果たして誰から発せられているのかについては、注意して見ていかないとと思います。「インターエデュ」の受験情報に、保護者を装って公立中の悪口を書き込んでいるのは、塾関係者かもしれないよ、ということです。

現在進行形といっても、2020年現在、一人娘は小6なので、最初は移住を決意した7年前のことを振り返って書いていこうと思います。

 

まずは、登場人物の紹介から。

◎ちい子(ちいちゃん)
我が家の一人娘。2008年生まれ。千葉県〇〇市の市立小学校の小6。絶賛反抗期中。
無口で小柄、目立たないタイプ。コツコツやるのが嫌いでグータラ。だが、負けん気が強くて記憶力がいいので、マークシート式のテストには強い。作文と漢字が苦手。手先が不器用なので、図工や音楽など副教科は壊滅的。ピアノや習字など、習い事はことごとく続かなかったが、小4で始めた公文式の英語だけはなんとか継続中。

◎こでまり
ブログ主。公立王国の地方出身。田舎の公立中から、県立進学校→都内の私立大(MARCHのどれか)、そのまま都内で就職して定住。結婚して退職後、同じ分野で細々とフリーランス。現在は週2でパートも。

◎こで夫
こでまりの夫。地方出身。公立中から、学区4番手くらいの公立高校→高校で勉強に目覚めて国立大(いわゆる駅弁)→上位大の院で博士課程中退→都内で就職、結婚。もともと就職氷河期のあおりをくらっていた上に、病気をして転職を余儀なくされ、現在中小企業のサラリーマン。

こで夫+こでまりの収入を合わせても、年収500万に届きません。夫の表面的な学歴から見たらビックリのワーキングプアぶりですが、それというのもちい子がまだ保育園のときに、こで夫ががんにかかり、休職→その後転職せざるを得なかったということがあります。一時は母子家庭になることも覚悟したので、回復してくれた今も無理はさせられず、生きてるだけで御の字、働いてくれているだけで有難い。言ってしまえば、夫に期待をするのはムリ。援助してくれる裕福な老親もありません。

娘には、せめて親と同じ程度の大学には行かせてあげたいですが、大学まですべて公立コースで総学費は約1000万、すべて私立コースを選ぶと2,500万以上かかるとのことです。
(参考)↓

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こちらに引用もされている文科省の平成30年度の調査では、「公立学校と私立学校の学習費総額の差は,幼稚園では私立が公立の2.4倍,小学校では5.0倍, 中学校では2.9倍,高等学校(全日制)では2.1倍」とのこと。無い袖は振れない、とはこのことで、我が家では私立中はおろか、私立高(最近支援金が拡充されてきてはいますが)、私立大もそれこそ特待生になるとかそういう裏技でも使えない限り、非常に厳しそうです。

教育にここまでお金がかかる現状には怒りを抑えられませんが、そんな中でも一人娘に、より安く(というと語弊があるかもしれません。よりコスパが良く)、より良い教育を受けさせるために、情報を集めてイバラの公立コース(??)を切り開く、奮闘記の始まり、始まり〜。