中学受験はいたしません!

公立小中から進学を目指す、ワープア夫婦+グータラ娘の奮戦記です

私が東京脱出を決意するまで(2)東京の中受率?

クラスの女子全員受験!?

はじめて、「これはエラいことになった」と思い始めたのは、ちい子がまだ保育園の年中組だったころです。

同じクラスのママ友に、年の離れたお兄ちゃんを持つお母さんがいました。このお兄ちゃん、区立中の一年生になったばかりだったのですが、小学校の同じクラスの女子(12〜3人?)が、なんと「全員」、中学受験をしたというのです。

ちょっーーと待てよ、都内のS区とはいえ、全員が全員そこまで勉強のできる or 勉強熱心な or 親が金持ちな子ばかり揃っているなんてことある? 
どう考えてもお勉強嫌いな子や家計に余裕がない子だっているだろうに、そこまでしなければならないもの……?とかなりたじろぎました。
しかも、学区の中学は特に荒れているという話も聞きません(もちろん私が知らないだけで、女子ママのネットワークでいろいろ飛び交っているのかもしれませんが……)。

もちろん、受験したからといって全員が私立や公立の一貫校に進学したわけではないでしょう。友達が受けるから自分も、という「な〜んちゃって受験」や、玉砕覚悟の記念受験という子もいるでしょう。
かといって受験勉強何もなしで当日いきなり受験、なんてわけにもいかないでしょうから、全員なんらかの塾や通信教育などで受験勉強をしていたに違いありません。

聞くところによると、都内の私学は中高一貫が増え、特に女子は、高校の募集人数が年々減っているので、高校から私学に入ろうとすると、特に高偏差値帯になると選択肢が非常に少ないというのです。つまり都立を滑ると、かなりランクを落とした私立に進学しないといけなくなる……とのこと。(まあ、どれくらい勉強ができるかどうかもわからない保育園の子に、そんな10年後の心配をする必要もないのかもしれませんが。)

同じ頃だったでしょうか。大卒で初めて勤めた会社のOB会に、退社後久しぶりに参加したことがありました。
お互いの子供の話になったとき、ちょっと上の先輩たちが、こぞってお子さんを私立中に進学させているのを知りました。お子さんが小学校高学年というと、当たり前のように「来年(再来年)受験だね〜」と返している会話に驚愕しました。

都内は国私立中への進学がスタンダードなのか??

本当に、東京の子はみな中学受験するのでしょうか。
データとしては、決してそんなことはなく、
例えば、こちらの記事。↓
https://urbanlife.tokyo/post/26457/
2019年度の資料ですが、2018年度の公立小卒業児童のうち、都内の公立中に進学したのは79.9%だそうです。私立や国立中に進学しているのは、20%に過ぎません。

とはいえ、これは地域によってかなりの偏りがあり、港区や文京区など40%を超える地域もあれば、江戸川区のように10%程度の地域もあります。
当時我が家が住んでいた区は30%程度といったところでしょうか。

進学率であって受験率ではない(落ちて公立に行く子はどれくらいいるのだろう……)ことには注意が必要ですし、男女の内訳もわかりませんが、女子の方がずっと受験率が高いのだとすれば、40%とか……それくらい? 
(もっとも当時はリーマンショックの少し後だったので、この統計よりは少し低かったかもしれません。)

当時、我が家は夫がガンで闘病中。精神的にも経済的にも先が見えない状況でした。

もしも、もしもちい子が、私も受験したいと言い出したら? 

「うちはお金がないから、受験はできないのよ」と突っぱねることができるのか? 

もしかして、学年の学力優秀な子たちは受験で抜けてしまい、公立中学はレベルが下がってしまうのではないか?

優秀層の子たちが抜けたあとの中学では、たとえいい成績が取れたとしても井の中の蛙で、結局は大学受験で苦労することになるのでは?

数少ない公立中高一貫校や、国立中学限定で受験する、という手はあるのかもしれませんが、そもそも6年生の一年間だけでも100万かかる(!)という中学受験塾にやる余裕もありません。

中学受験ができないことで、本人がいらぬコンプレックスを抱いたり、学力を伸ばす機会が奪われたりするのではないか?

……そんなことが頭をぐるぐると駆け巡りました。

 

(つづく)